今回は、統計学の名著といわれる東大出版の「統計学入門」(通称:赤本)の読み方を解説します。
赤本はきちんと読めば統計学の基礎がしっかり身につく良書です。
私は大学1年生の頃に初めて読んで以来、何度も繰り返して読んでいますが、読むたびに「さすが赤本、説明がわかりやすい…」と新たな発見があります。
統計学の基礎が身につくのはもちろん、応用的なデータサイエンス勉強をする際にもおおいに役立ちます。
ただ、赤本は意外と難しく、読むのにはコツがいります。
この記事では、赤本を読むのに必要な前提や、効率的な読み方を解説していきます。
意外と難しい?東大出版「統計学入門」の読み方
実際に私が読んだときの経験をベースに、東大出版の「統計学入門」(通称:赤本)の読み方を解説していきます!
「赤本」を読むにはある程度の数学力が求められる

赤本をきちんと理解して読むためには、ある程度の数学力が必要です。
具体的には、高校レベルの数学(数Ⅲまで)と大学1年生レベルの微積分は習得しておいた方が良いですね。
特に、高校数学の「場合の数と確率」に苦手意識がある場合は復習しておきましょう。
また、まったく統計学を勉強したことがない方が赤本を読むと消化不良をおこすかもしれないです。ある程度の統計学に知識をつけてから読み始めるのが良いと思います!
「赤本」の序盤でつまづく人が読むべき本
本屋で赤本を手にとってパラパラめくってみて「なんか難しそうだな」と思った方や、序盤でつまづいた方は以下のような本を読むと良いです。
完全独習 統計学入門(小島寛之)
かなり平易な入門書です。最小限の数学の知識(中学数学程度?)で読めるので、高校数学を忘れてしまった方にオススメです。
まずはこの本で、統計学に慣れると良いと思います。
マセマシリーズ
統計学の勉強をしたことがない方は、書店にある一番簡単そうな確率・統計の本を2,3冊買ってきて読んでみましょう。特におすすめなのはマセマシリーズ。
例題と計算問題が豊富なので、手を動かしながら理解していけます。(手を動かすことが大事です!)
(統計学に限らず)専門書は、難しい本を1冊読むよりも簡単な本を2,3冊読んだほうが基礎がしっかり身につくため、かえって習得が速いです。
しっかり理解できるようになる「赤本」の読み方
さて、ここが本題です!
東大出版「統計学入門」の読み方を具体的に解説します。
実際に私が実践した方法ですが、この読み方ならしっかり理解できるはずです。
読み方① 一字一句しっかり読んでいく
一字一句、一文ずつしっかり理解しながら読みましょう。写経するのもオススメです。
赤本には余計なことは書かれていない(読み飛ばすところがない)ため、1行ずつしっかり読んでいかないと途中で理解できなくなります。
以下は、私が好きな数学系 YouTuber さんが上げている「数学の勉強法」の実践動画です。
この方法のように「定義や定理をしっかり覚えて理解する」「くり返し紙に書く」といったことを実践すると、確実に理解が進みます。
ぜひ参考にしてみてください。
読み方② 文中に出てくる例をPythonで実装してみる
本文中に出てくる例をPython(またはR)で実装してみましょう。
「統計学の気持ち」がより理解できるようになるのでオススメです。
赤本を読んだあとはより実践的な統計学の本を読もう
最後に、東大出版「統計学入門」を読んだあとにオススメの本を紹介します。
まあ、これは各人の興味に任せれば良いと思うのですが、あえて言えば「より実践的に統計学を学べる本」をオススメします。
なぜなら、赤本は教科書なので、「これを読めば仕事でも使える!」という類の本ではないのですよね。
実際、赤本に Python や R のコードが書かれているわけでもないですし(そもそも初版が1991年)、計算問題が豊富というわけでもないです。
よって、「より実践的に統計学を学べる本」として以下を紹介します。
どちらも赤本で学んだ範囲を Python でより実践的に修得できる良書です。
Python(またはR)で統計学を学べる本は他にもたくさんあるので、書店で好きな本を数冊買って手を動かしながら勉強すると、グッと理解が進むと思います。
では今回はここまで!
コメント